「顧客満足」。
もはや私にとってライフワークとなったこの言葉、 ひとくくりに出来ないなあ、と思うことがときどきあります。
新刊に詳しく書いたのですが、「勘違いの顧客満足」があるのです。 最近、その当事者となりました。
週末に夏風邪をひき、熱が何日間も続いてぐったりしていました。 病院に行くわけですが、毎度毎度、ここで選択に悩みます。
<A医院> 先生 ◎ ( あなたは喉が弱いからねなど、個人として観てくれる。 診断結果もアドバイスも明確で心強い存在) 看護士○ (てきぱき働き、ムダ・ムラがない) 距離 △ (徒歩7分。体がしんどいときは辛い距離) 人気度◎ (2~3時間待ちは当たり前。一度帰宅して待機し、 2度来なければならない。最近、携帯電話で順番確認が できるシステムを導入したものの、2度足を運ぶ点は同じ)
<B医院> 先生 △ ( 診断というよりも、処方箋を書いてくれる人というイメージ) 看護士× (雑談多し。人数多し。仕事が雑な感じ) 距離 ◎ (徒歩2分の近さ) 人気度× ( いつもガラガラなので、行けばすぐに観てもらえる)
ね、悩ましいんです。
本当はいつもA医院に行きたいのですが、体はふらふらの状態なので、 2度も往復する気力が持てません。考えただけで熱が上がりそう。 処方してもらう薬は医院によって少し違うのですが、どちらが効くかは 症状にも寄るので分かりません。 ということで、たいていの場合、妥協してB医院に行ってしまいます。
さて、B医院から見たとき、私は常連さんになっているわけですが、 常連が満足の証かというと、決してそうではないんですね。
このケースのように物理的・身体的な理由から選ばざるを得ないことも あるし、ほかの商売では安いからという経済的な理由だけで消極的に 選ばれていることもあるのではないでしょうか。
店側は満足であって、顧客もきっと満足している思い込んでいるけれど、 実は、顧客は全然、満足していない。
そういう顧客満足は、 「勘違いの顧客満足」だと考えています。 当面、問題は浮上しないかもしれませんが、良い口コミに乗ることはなく、 ここよりもちょっといい店ができればたちまち浮気されてしまいます。
やはり理想は、店も顧客も、双方がハッピーな顧客満足。 これこそ「喜びの顧客満足」ですよね。
ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした♪
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