きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

生まれ変わった、あらわ温泉「光風湯圃べにや」訪問記

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

2023.5.30の福井県経営品質協議会での講演に際し、
前泊と後泊をして、29~31日の3日間、
福井に滞在しました。
 
最終日は、2021年に再建された
あらわ温泉「光風湯圃べにや」 さんへ。
社長の奥村隆司さんと、女将の智代さんと再会できました。
宿泊とYouTube収録をさせてもらった宝永旅館の国広桂子さんと
寄らせていただき、わくわくと感動の1時間!

 
新生べにやさんの素敵な空間をご覧ください✨
 

玄関を上がり、たたみ敷きのスペースから物語が始まります

客室に向かう廊下の途中に厨房があって、
このように障子を開けるとオープンキッチンになります! 

〜 〜 〜
明治17年創業の「べにや」は多くの人に愛され、
建物は登録有形文化財の指定を受けていました。
ところが2018年に火災で全焼してしまうのです。
しかし3日目にはスタッフが「必ず再建します!」
とFBに投稿され、
読んでいるほうが元気づけられるということがありました。
私は3週間後に訪問させてもらいました。
黒くなった建物の奥で、
庭には新たな命が芽吹いていたーー、
あの光景は忘れられません。
 
※2018年訪問時のブログはこちら。

setogawa015.hatenablog.com

 〜 〜 ~
2021年に生まれ変わった「光風湯圃べにや」は、デザインの異なる17室。
すべての部屋に源泉かけ流しの半露天風呂が備わっています。

書斎のような魅力的なスペース♪

カーブを描く天井とソファと。遊び心のある空間。

美しい建物と共に印象的だったのは、
息子の紘生さんや娘さんら、
若い方々が楽しそうに働かれている姿です。
掃除の時間帯にお邪魔したのですが、
みなさん笑顔なのです。
智代さんは火災の辛さと周りの方々の優しさに触れ、
多くのことを学んだとおっしゃっていましたが、
その一つは「できるだけ仕事化しないこと」だそうです。
これは重要。
さきほどの若い方々の表情はまさにそれを思わせました。
また宿名のとおり、
光や風や湯を味わう場、
おおらかで心豊かな場、
という本質をついた言葉であり、
体現であるようにも感じました。
 
新たに客室を建てるため、
一旦、池を全部埋めて重機が入れるようにし、
その後、改めて池をつくったそうです。

もう一つ、「あわら温泉女将の会」の存在も
欠かせなかったと言われます。
新生べにやは、宴会場がなく(30人までは可能)、
カラオケルームもなくしました。
智代さんは当初、そこに不安を覚えたそうですが、
女将会の仲間が、
「うちの宴会場を貸してあげる」
「うちのカラオケを使えばいい」と、
即答してくれたそうです。
あわら温泉女将の会は、並大抵の結束力ではないのです。
私も以前、会合を取材して記事に書かせてもらいました。
「あらわの女将たちがいなければ
自分はどうしていたか分からない」と、
智代さんはおっしゃいます。

お部屋でゆったりと。食事は基本的に部屋食です。


床の間を設けた、王道を感じさせるお部屋。
災の被害を唯一、免れた蔵に保存されていた掛け軸の出番です。

再建の力をくれたという美しい庭をのぞむロビー

改めて、時代は「競争より共創」であり、
あわら温泉の女将の方々はその道を
先に進まれているのだなと感じました。
心の美しさ、希望の力、人と土地を愛する強さーー、
じーんと胸がふるえたひとときでした。
また改めて、ゆっくりうかがいたいです。
お時間いただきありがとうございます。
 
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
 

YouTube やってます、全体のラインナップはこちら。

べにや・奥村智代さんは緑の②でご紹介しています。