下呂温泉紀行の最終回です。
せっかく来た下呂温泉。
翌日は観光をして帰ることにしました。
駅からタクシーで5分、「下呂温泉 合掌村」へ向かいます。 http://www.gero.jp/navi/kankou/gasyou.html
世界遺産となった白川郷の合掌家屋が10棟移築されていて、
当時の暮らしが再現されていたり、
全体的にそこそこ楽しめます。
しらさぎ座による影絵も合掌家屋の中で毎日、
上演されています。
下呂温泉がひかれた足湯もありました ↓
最もマイナーな施設ではないか、
と思わず心配する「狛犬博物館」でした。
仲良くお喋り中。「へえ」、「そうなんだぁ」
狛犬のルーツは、
古代オリエント(中近東地方)のライオンなのだとか。
ということは、猫(科)だったわけですね。
いろいろな国と時代を経て、
日本では犬として受け入れられたのでした。
沖縄のシーサーもそうですけれど、
片方が口を開け、片方は閉じている。
「一方は幸運を吸い込み、
一方は幸運が出て行かないようにしている」 と、
“呼吸” になぞらえた説明を聞いた覚えがありますが、
狛犬博物館の説明は次のようなものでした。
一方が口を開け、
片方が口を閉じているのを 、
「阿吽(あうん)の表情」 というそうです。
「あうんの呼吸」の「あうん」ですね。
「あうん」は、
梵語 (ぼんご:古代インドの文語であるサンスクリット)
から来た言葉だそうで、
「あ」は初韻、
「うん」は終韻を指しています。
つまり、
「あ うん」とは最初~最後まで、
万有の原理を示しているのです。
調べたら、広辞苑にもそう書いてありましたが、
お恥ずかしいことに初耳で、
狛犬たちを前に博物館で知ると、
とても印象的な言葉に感じられました。
そんなアカデミックな空間ではありましたが、
でもなにより面白かったのは、
狭いワンフロアに陳列された、
狛犬たちのユーモアあふれる表情でした。
笑わそうとしているのではないのでしょうが…。
つられて口角が上がってしまいます
やる気なし
右は、手の下に置かれていたであろう
球体が取れてしまった狛犬。
つまみ食いが見つかり、
「あっ」と慌てているようにしか見えません。
激論か漫才か
「阿吽」(あ うん)は万有の原理。
そういえば、人は「おぎゃー」と
息を吐いてこの世に生まれ、
息を吸って終わる、のだそうです。
(沖縄のシーサーの話とは順番が異なりますが、)
と考えると、
「阿吽の呼吸」とは、よくできた表現です。
また、「阿吽の呼吸」でやりとりできる
人との出会いが なおさら貴重に思えてきます。
~下呂温泉シリーズ おわり~
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。