こんにちは。
今日は前に記事で読んだ興味深い話をシェアします。
「船に、26匹の羊と10匹のヤギが積まれています。
さて、船長は何歳でしょうか?」
70年代、数学教育が専門のフランスの研究者が、
小学低学年の子どもたちにこう質問しました。
正確には「匹」じゃなくて「頭」だけど、
そこはスルーして、
大人の私たちも考えてみましょう。
船長は何歳でしょうか?
当時、これを問われた
小学低学年の子どもたちは、
そのほとんどが「36」と答えたそうです。
あ~、なるほど、
羊が26匹でヤギが10匹だから
船長は「36歳」だよね!
……って、いやいや、そんなはずない。
羊とヤギが何匹いたとしても、
船長の年齢とはまったく関係がない。
この問題は「わからない」
もしくは「知らんがな」 が正解です✋
ところが研究者らによると、
解きようのない問題を解いてしまう傾向は、
ほかの国々の同年齢の子どもにも見られ、
教育が行き届いている国でも、同様だったそうです。
~ ~ ~
さて、今回ご紹介したのは
低学年の子ども向けの実験ですが、
大人の心理も同じだと思いませんか?
問題を出されたら、解かなければならない。
問題を出されているんだから、答えがある。
そんな風についつい思ってしまう心理。
「船長の年齢と関係なくない?」と
解きようがないとわかっていても、
「何か出さなければ」と思ってしまう。
子どもに限らず、大人も、
「言われたことを、忠実に、
正しくやらなければならない」
そういう意識・無意識があると思うんです。
~ ~ ~
これがうまく作用する場面ならいいですが、
言われたことを忠実に正しくやろうとするのは
ほどほどにしたいところ。
なぜなら、古い価値観に固執せず、
多様で自由な新しい風の中を歩むには、
「それ変じゃない?」
と、既存のものに対して疑問を持つ力が
いるからです。
~ ~ ~
私が多くの方々を取材させてもらって思う一つは、
働く人がのびのびしている組織のリーダーって、
「できない」とか、
「わからない」とか、
「自分はすごくない」とか、
わりとそういう言葉を使うってことです。
なんでも知っているわけじゃない、
なんでも答えられるわけじゃない。
なんでもできるわけでもない。
「わからないなあ」
「うーんそこまでは考えてないです」
「それについては知らないです」
こういう言葉も普通に言う。
船長の年齢の問題にからめて言うのなら、
解きようのない問題は無理に解かないって感じ。
努力から逃げるという意味じゃなくて、
わからないことは「わからない」と言える。
変なことには「おかしくない?」と言える。
周りも「だよね」と、受け止め合える。
そしてともに考えてみる。
そんな職場や社会がよいなあ。
~ ~ ~
では最後にもう一度、質問です。
「船に、26匹の羊と10匹のヤギが積まれています。
さて、船長は何歳でしょうか?」
と問われたら?
「わからない」
「知らんがな」
お好きなほうでどうぞ (^^)♪(笑)
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。