きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

あきらめないホテル「箱根ホテル」100周年

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

今週は母娘で箱根旅行に行ってきました。
湿性植物園、芦ノ湖クルーズ、岩田ターンパイクなど、
行く先々が当たりで楽しい旅でした。
それは次回、まとめて紹介するとして、
今回は滞在先「箱根ホテル」の話をどうぞ。
 
箱根ホテルは、芦ノ湖のほとりにあるリゾートホテルです。

客室でくつろぐ母娘の図。山の向こうに、富士山の頭が見えています

ここ箱根ホテルは、
駅伝中継で毎年テレビに映る「富士屋ホテル」
のグループホテルで、2番目の老舗。
1923(大正12)年6月に開業しました。

つまり、来月でちょうど100年になります。

 
建物と立地、そして肝心なサービスも満足いく空間でしたが、
それだけではなく、
倒れても、倒れても、その都度、立ち上がってきた、
あきらめないホテルでもありました。
 
館内に歴史紹介の展示スペースが設けられていたんですけど、
これがかなり勇気づけられるものでした。
 
100年前の1923年、
箱根ホテルは開業早々、
皇族が宿泊するなど前途洋々の船出をします。
ですが、わずか3カ月後に、関東大震災で被災してしまいます。
大金をかけて華々しくオープンしたホテルが、
わずか3か月で使えなくなってしまうーー。
 
さぞ落胆したかと思うのですが、
再築して3年後の1926年に再びオープン。
箱根の復興に貢献します。
 
ところがです。
4年後の1930年に、
今度は豆相地震で倒壊してしまうんです。
 
最初と今回の建物の投資回収が
全然追いついてないと思うんですが、
箱根ホテルはあきらめません。
 
6年後の昭和6年、
地震に強い新築のホテルを再々オープンさせました。

これでもう安泰となってほしいのですが、
試練は終わりません。
14年後の昭和20年(戦争の始まり)、
ドイツ海軍と契約して2年間ホテルを貸している間、
ドイツ海軍が火災を起こし、
ホテル新館が消失してしまうのです。
 
……展示を読んでいるだけで、
当時の人々の心に迷い込んでしまい、
「やってらんないな」
と、ぐったりしてきました。
 
けれども、それと同時に、
倒れても、倒れても、その都度、
もっといいホテルになって立ち上がってきた、
その根性に打たれました。
 
創業一族の山口家は資産家だとしても、
22年間で4回も新築やほぼ新築をつくるなんて、
冗談じゃないよという話だと思います。
一軒家だってあり得ないのに、
しかも大きなホテルで。

それに、お金以上に、
気持ちの面で折れても不思議ではないと思います。
2回の大地震と1回の火災、
3つとも自分たちのせいではないのですから。
 
それでも立ち上がり続け、
いよいよ来月、2023年6月に100周年。

2023年5月の箱根ホテル

ディナーも朝食もおいしくいただきました♡
フロントもレストランもサービスも
感じのいい方々だったので、
ホテルを守ってきた先人たちの思いを
くんでいるのだとしたら、
なんて素敵だろうと思いました。
いまが苦しくても、
未来の誰かが感謝するかもしれない――。
館内の、あまり目立たないところにある展示スペースで、
いたく感じ入ったのでした。
 
続きはこちら。
 
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
 

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