きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

「月曜日のたわわ」広告について思うこと

 

こんにちは。
今日は、「月曜日のたわわ」広告について
触れてみようと思います。

HUFFPOSTのこちらの記事に詳しいです。
こちらを読んでいただければ、
私のブログは不要なのですが、
ネット記事って、いい内容でも時間が経つと
消えちゃうことが多いんですよね。
なので、ここにも残しておきたいと思います。
~  ~  ~

 

漫画『月曜日のたわわ』(比村奇石さん)の
単行本が出るタイミングと、
新年度が本格的に始まる4月4日(月)に合わせて、
日経新聞に全面広告が掲載された問題です。

 

ハフポスト日本版ニュースエディター
金春喜さんの記事 こちら。

スクリーンショット 2022-04-09 183135.jpg

 

もし、この広告⇧を見て、
なんとも思わないとしたら、
感覚をアップデートしましょう。

 

この広告の何が問題なのでしょうか?

 

記事では、メディアのジェンダー問題に詳しい
東工大の治部れんげ准教授が指摘する
3つの問題点が挙げられています。
1つ目は、あらゆる属性の人が読む
最大手の経済新聞に掲載されたことで、
「見たくない人」にも情報が届いたことだ。
(本文引用)
幼い顔の女子高生の、強調された胸、
異常に短いスカート、上目使い。
性的なものを感じない人はまずいないでしょう。
漫画の発刊そのものなら、
欲しい人が手にすればいいことです。
でも、不特定多数の人の目に触れる新聞の
全面広告に載ってしまったら、
否応なしに目にしてしまうわけです。
テレビの津波や戦争のニュースだって、
映像を流す前には「ご注意ください」
ってあらかじめ言うんですから、
見たくない人もいる広告を「見るしかない」状態に
させるのは暴力的と思われても仕方ないでしょう。



2つ目の問題は、広告掲載によって
「異性愛者の男性が未成年の少女を
 性的な対象として搾取する」という
「ステレオタイプ」(世間的固定概念)を肯定し、
新聞社が「社会的なお墨付きを与えた」
と見られることにある。(本文引用)

 

「たわわ」という漫画タイトルにあるように
「胸は非現実的なほど強調され」(本文より)
 極度に短いスカートを履いた女子高生が
「今週も素敵な一週間になりますように」と
 (主に)男性社会人に呼び掛けています。
女子高生を「性的な癒し」として消費することを、
新聞社が広告として全面的に載せることによって
肯定した格好になったのです。



3つ目の問題点は、
これまで「メディアと広告によってジェンダー平等を推進し
有害なステレオタイプを撤廃するための世界的な取り組み」
を国際機関とともに展開してきた日経新聞が、
自ら「ジェンダーのステレオタイプを強化する」
という矛盾に陥ってしまったことだ。(本文引用)
記事によると、
「日経新聞は、UN Women 日本事務所と連携し、
 ジェンダー平等に貢献する広告を表彰する
「日経ウーマンエンパワーメント広告賞」を主催するなど、
 広告のジェンダー平等化を推進する立場に立ってきた」
そしてこの賞では、
審査項目(3つのP)があるそうです。

Presence
多様な人々が含まれているか

Perspective
男性と女性の視点を平等に取り上げているか

Personality
人格や主体性がある存在として描かれているか

しかし、今回の漫画の全面広告は、
3つのP、すべてにおいて外れています。
~  ~  ~

 

私は通勤電車に乗らないのでわかりませんが、
いまだに痴漢をする人は減らず、
朝の通勤時間に痴漢から守るため、
女性車両が運行し続けているのが事実です。
合意のない状態で、
人の身体を触ってはいけない。
そんな当たり前のことができない人が
現実に大勢いるのです。
女性を消費する現象を、助長するような広告掲載は、
本当に残念だし、うんざりさせられます。

前にYouTubeで「女性の時代?」という
動画を撮りましたが、
ほんとにもう、まだまだ……という感じ。

 

せめてもの希望は、
今回の全面広告によって、
「こういう広告は掲載しない」
「許されない時代なんだ」

という考えが当たり前になる世の中に、
これでまた一歩、近づいたんだと、
小さな一歩になったのだと思うことです。



漫画もアニメもクールジャパンの代名詞として
大事なものだとは思いますが、
内容によって、出てはいけない領域ってものがあります。
この広告は、漫画雑誌の中ならいざしらず、
誰もが目にする大手新聞の全面広告という
領域にはふさわしくなかった。
昔は目をつぶっていたことが、
今もそうとは限りません。

こうした出来事を評して、
世知辛い世の中になった、とは私は思いません。
表現の自由が狭められた、とも私は思いません。
個々の存在や性が尊重される世の中へ。
暴力的な表現が評価されない世の中へ。
これはいいことだと思います。
意識のアップデートが進むことを願って。

 

追伸:
国連の女性機関が『月曜日のたわわ』の
全面広告に抗議しました。
世界からもNG出てます。



経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。

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