セクハラ、モラハラ、パワハラ、マタハラなど、
悲しいことに、世の中には数々の
ハラスメント(嫌がらせ・いじめ)がありますよね。
残念なお知らせなのは、
すべて「大人」がやっているということです。
今日のテーマは、そのうちの一つ
「カスタマーハラスメント」です。
略して「カスハラ」。
これは、お客(カスタマー)が
働く人に対して威圧的な言動や
理不尽な要求を突きつけることを指します。
具体的には、表にあるように、
働く人への痴漢行為やつきまとい、
暴言や暴行、
ねちねちと苦情を長時間、言い続ける、
SNSに書くぞと脅す、
返品やお金の要求、
土下座をさせる、などのことです。
書いたり読んだりしていると、
カスハラによって
働く人が心を病んでしまう
深刻な被害が起きています。
こうした状況を憂慮し、さきごろ、
厚生労働省は「カスタマーハラスメント」
の対応マニュアルの策定を決めました。
今に始まったことではなく、
何十年も前から多発しているカスハラ。
私は、取材先の旅館やホテルをはじめ、
いろいろな会社においても、
カスハラ被害の話を幾度も聞いてきました。
胸をふさぐような話で、
鬱になられた方も実際にいらっしゃいます。
私はよく思うんです(前にも書きました)
たかだが数万円 払ったくらいで
威張れると思うなよ、と。
1億円 払ったとしてもダメなんですけどね。
それに、興味深い話があります。
例えば宿泊施設の場合、
大金を払う人ほど品がよいことが多く、
お金にものを言わせて人を足蹴にするような
ことはしないのだそうです。
これってまさに、幸せの因果関係ですね。
お金持ちだから品がよくなったのではなく、
品のよい人だからお金持ちになっているのでは?
ちょっと話がそれました。
世の中が閉塞感に包まれる今、
カスハラは加速しているようです。
それは憂うことですが、
ただ、
従来の「仕方ないことだ」から、
「それは見過ごせないことだ」という認識に
世の中が変化していると思います。
ようやく、国は標準的な考え方や
現場対応策を示す必要があると判断し、
来年度の概算要求に1700万円を計上します。
1700万って、金額が低すぎるし、
そもそも国がこのようなマニュアルを
策定しなければならないとは
情けない…とも思います。
だって、
「お客が、働く人をいじめてはいけない」。
そんなことは誰に注意されなくても
当たり前のことですよね。
マニュアルの完成は来年以降の模様です。
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