きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

業界別の手元資産の比率を見てみよう ~自分は売上ゼロでどのくらい持ちこたえられるか~

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

今日のテーマは、
「業界別の手元資産の比率を見てみよう
 ~売上ゼロでどのくらい持ちこたえられるか~」です。
ちょっと難しい感じかもしれませんが、
私でも理解できるので大丈夫です!



画素の関係でボケてしまってすみません。

 

縦は業種です。上から順に、
全業種、製造、卸売、小売、宿泊、飲食サービスになっています。

 

横は資本金の額です。右へ行くほど大きく、
左から順に、全業種平均、1千万未満、1~2千万、2~5千万、
5千万~1億、1~10億、10億以上となっています。



表の中の数字が表すのは、
固定費と流動性の高い手元資産の比率で、
要するに、
「売上ゼロで何年 持ちこたえられるか」です。

 

※ 「流動性の高い手元資産」には、
  現金・貯金・手形・株などがあります。
  すぐお金にできる資産のことです

 

表でパッと目につくのは、
下の2つ、宿泊業と飲食サービスの低さですよね。
すべてが「1」(1年)に届きません。



同じ表です。
Twitter用 固定費と流動資産の表.jpg

 

一番優秀なのは、資本金10億以上の卸売業で、
6.74だから、6年以上、大丈夫です(ほんとかな?)。

一番きついのは、資本金1千万未満の宿泊業で、
0.24だから、数カ月しかもたないことになります。
 
これは平均なので、
上記の資本金と業種に当てはまる会社が
すべて楽勝、すべて危機ということではないですが、
業界が抱える問題が浮かんできますね。

 

宿泊と飲食は、「労働集約型」といって、
人の手が必要なので人件費がかかります。
お客さんが長時間滞在する商売なので、労働時間も長い。
施設も常にきれいにする必要があって、修繕費もかかります。

 

また、「無形性」というんですが、
施設や食事という目に見えるものを提供しつつも、
形のないサービスを提供する仕事なので、在庫ができません。
在庫ができないということは、
今日一つの部屋、一つの席が埋まらなかったら、
永久にその分を儲ける機会を失います。
これを機会損失といいます。
 
モノの場合は、今日売れなくても、明日売れれば
儲け損ないを取り戻せますよね。
でも、形のないものは、つまり時間を売っているわけなので、
その時間(儲け)は取り戻せないのです。


これぞ  Time is Money です。
なんか脱線しているような…。



で、話を戻すと、
「売上ゼロで何年 持ちこたえられるか」
宿泊や飲食の耐久性が低いのは、
競合が多いこともありますが、
上記の理由も考えられるのです。



ただ、そんな中でもしっかり売上・利益を
挙げている宿泊・飲食会社もあります!
何度も書いていますが「生産性」が高いのです。
合理的で、かつ、人に優しい。
この2つは両立します。
むしろ、合理的じゃないと優しくできません。
これについてはまたの機会に書きたいと思います。



そろそろまとめです。
今日なぜこの表をご紹介したのかというと、
「自分は売上ゼロで何年持ちこたえらえれるか?」
考えるきっかけになると思ったからです。



経営者や事業主は、当事者意識で考えると思うのですが、
固定給の入る社員でも、その安定は保証されていません。

 


脅かしたいんじゃないんです。
私は「安心しよう」「大丈夫」って言いたいんです。

 

・当面、どのくらい持ちこたえられるかとか、
・いざそうなっても自分は何だってやるんだとか、
考えておくと、かえって安心できそうと思ったのです。

 

私はフリーランスになったとき、
ジャーナリストの千葉敦子さんの本を読んで、
「いざとなったらパンと水で生きていけばいい」って言葉に、
つまり、好きなことで生きていくという気概に感動したんですよね。

現実をちゃんと見る。
でもそこに負けないでやることをやる。
もしものときのことをちょっとは考えておく。



考えるのも怖い人は、考えないでいいんですけど(笑)
人財不足は依然として健在なので
(好みとは限らないけれど)仕事はありますから。



なので最も大切なのは、心身を壊さないこと。
心身を壊さないためにも、ちょっとは心構えを持っておく。
必要なければそれでラッキー。
ま、掛け捨て保険ですね(笑)。



変な内容だったかもしれませんが、大事でもあります。
ではまた~。

 

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
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