きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

ポスターに使われた絵を飾らない東京国立近代美術館

 

皇居沿いの東京国立近代美術館に行ってきました。
今年2月以来、5カ月ぶりです。

 

私は東山魁夷の「」という絵が大好きで、
一度、本物を観たいと思っているんです。
 
「道」はこの美術館が所蔵しているので、
2月にわくわくして行ったのですが、
展示はありませんでした。

 

スタッフに聞くと、常設はしていないそうで、
むしろ、ほとんど展示しない作品です、と。



そ、そんな……。

ポスターには「道」が使われているんですよ?
MOMATコレクションで観られる!と
楽しみにしていたんです(2月に撮った写真)。
 
 
絵の右下にも、
「道」は6月27~8月23日まで展示予定と書いてある。



そしていよいよ時期が来たので、
コロナ感染防止用の日時指定チケットを買い、
本日、いそいそと出かけました(今日の写真です)
 



ところが…、「道」は展示されていませんでした。

 

水色の張り紙に「会期変更 2021年予定」とありますが、
ホームぺージには再開と書いてあるし、
会期はまさに今で合っているし、
ポスターはそのまま「道」が使われているのに!
 
 
詐欺のようなポスターです。



舞台でもコンサートでも、
ポスターに出ている人は必ず出演しますよね?

万が一、出演しなくなったら、
来てくれるお客さんを裏切らないために
「〇〇は出演しません」と、事前に発表しますよね?
 
その人を観たいがためにチケットを買うお客さんが
いるわけだから、当然のことです。
それが、劇団・劇場とお客さんとの信頼にもなります。



ところが、東京国立近代美術館は違いました。
「国立」という地位のある美術館なのに、
もしくは、「国立」という地位ゆえに、
集客をがんばらなくても潰れないから
お客さんの気持ちが分からないのかな?



この展示に携わる方々は、
「お客さんから見てわかりにくい」と
誰も指摘しないのかな?



2月に行ったときは、
絵についての面白い説明文が多々あって、
お客さんに寄り添っている感を受けたのですが、
組織全体には広がっていなさそうな…。



ということで、私が気になったのは、
お客さんの気持ちがおざなりなっているという点でした。

 

仕事ってお客さん視点を持って働くから
楽しいし、質もよくなると、
 
経営ジャーナリストとして数々の
企業取材をしてきた私は思うのです。

お客さん視点が不足しているとすれば…、
働きがいはどうなっているんでしょう、と
余計な心配もしたくなります。
 
 
タイトルやポスターやHPによって抱いてくれた
「期待」という見えないエネルギーを
お客さんは持って来てくれるんであって、
その落としどころが必要なんです。



こちらは同日、同美術館の企画展で観た
「ピーター・ドレグ展」のちらしです。
 

 

私好みの世界観&色使い。とても素敵な絵。
この展示会では、ちらしに使われていた絵が
ちゃんと展示されていました(これが当たり前)。

 

 

この絵もよかった。



主催者側が発表した「これをやりますよ」という内容を
ちゃんとやることが第一前提。
 
その上で、「想像以上によかった!」があると、
お客さんの期待は気持ちよく昇華される。

 


東京国立近代美術館さん、

展示しない絵をポスターに使うのはやめてください。

ちょっとひどいですよ。

 

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。