毎年、ホワイト企業大賞のダイアログ(対話)は、
いろいろな思い・事例を語り合う興味深い時間です。
表彰式が終わると、二部はテーブルを席替えしながら
ダイアログを行います(ワールドカフェ)
そのダイアログで一緒の席になった
大賞企業「GCストーリー」の常務・萩原典子さん
が聞かせてくれた話をご紹介します。
なかなか仕事を受注できなかった若手社員が、
とうとう契約を取りました。
それまでの苦労を見守って来た萩原さんは、
ねぎらいと「ありがとう」の言葉をメールしました。
すると、本人からの返信の中に
「ありがとうと言われることに違和感を感じます」
との一文がありました。
契約を取ったのは会社のためではなく、
お客さまや自分や仲間のためだからです。
そこで萩原さんは、
それは分かっているということ、
あなたの頑張りにこちらも励まされたということ、
それに対する「ありがとう」の気持ちを
受け取ってほしいということを伝え、
本人も納得してくれました。
~ ~ ~
これ、素晴らしい話だと思ったんです。
普通は「ありがとう」と言われたら、
まして経営陣に言われたら、
たとえ違和感を持っても受け流すんじゃないでしょうか。
せっかくの「ありがとう」に水をかけて、
ややこしい状況になるのは避けたいからです。
でも、この若手社員はスルーしませんでした。
上下の立場を超えて、
「聞いてもらえる」「分かってもらえる」
という心理的安全性、信頼関係が
社内風土としてあったからだと思います。
萩原さんも、
「こういうことを伝えられるのは
とてもよいことだと思ったし、うれしかった」
と語られました。
「素直に喜べ!」と利己的に考える上司じゃないんです。
Growth for Contribution(貢献のための成長)
を社名の由来とするGCストーリーの、
人の質的な成長を本当に大切にしていることを
感じられる事例でもあるし、
「ありがとう」は万能じゃないという気づきもあるし
(ともすれば上から目線になってしまう)、
ここに至るまでに社内でどんな創意工夫がなされているのか
想像するのもいい。
短い話の中にいろいろな発見があります。
いやあ、いい話。
萩原さんが快諾くださったので
シェアさせていただきました!
ホワイト企業大賞委員の瀬戸川礼子でした。