きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

「ありがとうと言われることに違和感がある」と言える信頼関係


毎年、ホワイト企業大賞のダイアログ(対話)は、

いろいろな思い・事例を語り合う興味深い時間です。

表彰式が終わると、二部はテーブルを席替えしながら

ダイアログを行います(ワールドカフェ)

そのダイアログで一緒の席になった

大賞企業「GCストーリー」の常務・萩原典子さん

が聞かせてくれた話をご紹介します。

HP:https://gc-story.com/

なかなか仕事を受注できなかった若手社員が、

とうとう契約を取りました。

それまでの苦労を見守って来た萩原さんは、

ねぎらいと「ありがとう」の言葉をメールしました。

すると、本人からの返信の中に

「ありがとうと言われることに違和感を感じます」

との一文がありました。

契約を取ったのは会社のためではなく、

お客さまや自分や仲間のためだからです。

そこで萩原さんは、

それは分かっているということ、

あなたの頑張りにこちらも励まされたということ、

それに対する「ありがとう」の気持ちを

受け取ってほしいということを伝え、

本人も納得してくれました。

~  ~  ~ 

これ、素晴らしい話だと思ったんです。


普通は「ありがとう」と言われたら、

まして経営陣に言われたら、

たとえ違和感を持っても受け流すんじゃないでしょうか。

せっかくの「ありがとう」に水をかけて、

ややこしい状況になるのは避けたいからです。

でも、この若手社員はスルーしませんでした。

上下の立場を超えて、

「聞いてもらえる」「分かってもらえる」

という心理的安全性、信頼関係

社内風土としてあったからだと思います。

萩原さんも、

「こういうことを伝えられるのは

とてもよいことだと思ったし、うれしかった」

と語られました。

「素直に喜べ!」と利己的に考える上司じゃないんです。

Growth for Contribution(貢献のための成長)

を社名の由来とするGCストーリーの、

人の質的な成長を本当に大切にしていることを

感じられる事例でもあるし、

「ありがとう」は万能じゃないという気づきもあるし

(ともすれば上から目線になってしまう)、

ここに至るまでに社内でどんな創意工夫がなされているのか

想像するのもいい。

短い話の中にいろいろな発見があります。

いやあ、いい話。

萩原さんが快諾くださったので

シェアさせていただきました!


ホワイト企業大賞委員の瀬戸川礼子でした。

「いい会社」のよきリーダーが大切にしている7つのこと
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