よきリーダーの方々は、
ただものごとを「見る」に留まらず、
よく「観察」しているなと思うことが多いです。
ということで、今日は「観察」についてのお話です。
じぃ――
観察とは?
=物事の真の姿を間違いなく理解しようと
よく見ること(広辞苑)
=物事の様相などを 注意深く見ること(明鏡国語辞典)
=仏語。智慧によって対象となるものを
正しくみきわめること(精選版日本国語大辞典)
3つの辞書による「観察」。
表現は少しずつ異なりますが、
表面的なものをとらえるのではなく、
要するに「じーっと深く見る」わけですね。
じぃ――
深く見るのが観察ですから、
観察力があるというのは、
社員が出社しているか・していないか
を見ることではありません。
仕事の進捗をチェックすることでもないです。
観察力とは、例えば組織のメンバーに対してならば、
「いつもより表情が沈んでいるな。どうしたのかな」
「難しい仕事にどう取り組んでいるか。サポートは必要か」
「明るくしているが無理しているんじゃないだろうか」
「そろそろこの仕事を任せて様子を見てみよう」など、
見えない内面を普段からよーく見て
状態の理解に努めるということです。
辞書に書いてあったとおりです。
真の姿を間違いなく理解しようとよく見る(広辞苑)、
様相などを注意深く見る(明鏡)
対象となるものを正しくみきわめる(精選日典)
そう、観察力というのは、
髪型や服装が変わったことに気づくことではありません。
そうではなく、
髪型や服装がなぜ変わったのか?
それに伴い、表情や言動はどう変化しているか?
表面を見るに留まらず、
毎日見続けて変化を感じ取り、
見えないことまで理解しようと努めていくこと。
↑ 中高生の先生みたいなことを書いていますが、
基本的に同じことと思います。
なので、
KPI (重要業績評価指標)を重視して
わかったつもりになっていると、
観察力はどんどん、どんどん落ちていきます。
学校の先生が、生徒の成績表の数値だけで
生徒を知った気になるのと同じことです。
これ、若干、イメージ違いますけれども
リーダーにとって、
思いや心に目を向けない観察は、
観察とは言えないでしょう。
それは単なる確認であって、
確認は、リーダーじゃなくてもできることです。
ただ見るのではなく、確認でもない、観察力。
観察力がある人は、
小さなうちに組織の傷を治したり、
大きなチャンスを人より早くつかんだり、
変化の前兆を感じられたりしています。
観察力。とても、大切な力だと思います。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。
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