きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

アフェクションの人財育成合宿を見学しました

 
こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
 
「人の表情って、3日間でこんなに変わるんだ」と思いました。
 
2018年9月10~12日と、2泊3日で熱海に行ってきました。
取材でも旅行でもなく、
人財育成の合宿にオブザーバー参加させてもらったのです。
 
私自身もセミナー&研修講師をしているので
自分を高めるために学ぶ必要があると思っていたのと、
もっと個別対応で内面を深く堀り下げられる
良心的なセミナーがあれば
その人の未来のために他社研修を紹介したいと思っていました。

そのためには、私が全行程を知っておく必要があるので、
これまでに有名な会社に数社、申し込んでみたのですが
「同業者は参加できません」と、門前払いなのです。
まったく心が狭い!(笑)
 
しかし、とうとう受け入れてくれる会社に出会いました。
人財育成の研修会社「アフェクション㈱」(横浜)です。
 
日本経営品質賞 受賞企業「カワムラモータース」の経営者
河村将博さんをインタビューさせていただいた折、
アフェクションのメイントレーナーもされていると知ります。
(※河村さんは毎回ではなく、年に数回、担当されます)
 
信頼する河村さんが講師をされる研修に私は興味津々、
ぜひ行かせてほしいとお願いしたところ
河村さんも、河村さんと長いお付き合いである
アフェクション代表の三縄雅子さんもご快諾くださり、
オブザーバー参加を勧めていただきました。
 
三縄さんはこの道35年。
同業の前職から2013年に独立・起業されました。

三縄さんのあいさつ
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メイントレーナーを務める河村さん
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見学した研修は「ファーストステージⅠ」
https://www.affection-1.com/practice_areas
前述の通り、熱海にて2泊3日の合宿をします。
施設はホテルなのできれいですし、
食事は一般宿泊客と同等のしっかりした内容。
研修会場として申し分ありません。
料金は宿泊・食事・税込みで155,520円です。
 
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さて、肝心な研修プログラムですが、
こうした研修は、
先入観を持たずに受講したほうが身になると思うので、
どこまでブログで紹介するかが悩ましいのですが…。
 
目的や特性としては、
三縄さんと河村さんから次の言葉がありました。
 
・自分のことが好きで自分の人生も好きと言ってもらいたい(三縄さん)
・自分で決めてしまっていた限界を突破する場(河村さん)
・話す技術ではなく、心のクセを治していく場(河村さん)
・うまくいく人はうまくいくものの見方や考え方を持っている。
 これを3日間で体験する場(河村さん)
・感性を磨く場。感性を磨くと人の気持ちが分かる。
 ものの見方が変わる(三縄さん)
・心は顔に出る。いい顔になって帰れるように(三縄さん)
 
研修プログラムは、上の言葉にのっとったものでした。
 
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一つだけ内容を挙げるならば、
本当の自分・ありたい姿を知るための「心構え」
というセッションがあります。
 
これは、
「過去」に起きた心に残る場面を振り返りつつ、
だから自分はこういう人間になったと「今」を俯瞰し、
こういう自分になりたいと「未来」を見つめるものです。
ポイントは、ドロドロした心の世界を直視すること。
 
誰でも持っている、嫌な、辛い、思い出したくない原体験や、
普段は隠している本心を引きずり出すのです。
この時間が、プログラムの中でたぶん一番むずかしい。
 
でもこれをやらないと、「本当の自分・ありたい姿」を
心の底から望むことはできず、
そうなるんだと覚悟することもできない、
という考え方です。
メイントレーナー以外に何人もいるトレーナーも一緒に
受講生一人一人と真剣に向き合い、
心の殻を割っていく作業をサポートします。
 
あるトレーナーは受講生と一緒に泣いていたし、
あるトレーナーは大声で受講生を叱っていました。
自分の本心に到達できずに悩む受講生もたくさんいます。
 
この研修は「本心」にとことん向き合う場なので
私もそれに倣って書くならば、
正直、大声を出すような場面は苦手でした…。

けれど、果たして平常心で心の殻を破れるのか?
と考えると、3日間でそれは無理なことでしょう。
ということは、大声を出すこと自体が意図ではなく、
心の殻にひびを入れる方法としてやっているのでしょう。
 
この「心構え」というセッションは10時間近くに及び、
終わったのは深夜0時でした。
終了予定時間は21時でしたが、3時間オーバー。
終わる時間は毎回、変わるそうです。
 
これは、終了時間を優先して研修するのではなく、
全員がクリアすることを優先しているからです。
なかなか終わらなくても、
「あの人のせいで終われない」という雰囲気はなく、
「がんばれ!」「できるよ!」「応援しているよ」
という雰囲気にだんだんなっていきました。

一人、また一人とクリアするごとに
みんながその人のクリアを共に喜び讃えます。
こうして、
知らず知らずにチームの絆を体感しているのですね。
 
三縄さんも河村さんもトレーナーの方々も、
全員が最後の一人まで付き合います。もちろん私も。
 
「時間が来たから終わりにしましょう」 がない。
これは通常の企業研修ではできないことです。
 
さて、内面を見つめる研修は全国に多々ありますが、
会社から強制されて来る人は言うまでもなく、
自分で志願して来る人も含めて
ほとんどは嫌々ながらやって来るようです。
不安感、嫌悪感を抱えて来るのが普通です。
 
今回、受講生の一人が言っていました。
「本当に来るのが嫌で嫌で、前日にでも倒れて
病院に担ぎ込まれればいいなと思っていました」と(笑)。
 
ところが、
いろいろな課題をクリアした3日目最終日には
全員の目に力が宿り、曇りのない笑顔になっていました。
 
私が伺った今回は、いつもより人数が少ないそうで、
受講生は22~53歳までの13人。女性は一人でした。
 
スタートは暗めの雰囲気で、笑顔はゼロ。
それが最後の集合写真では、
内面から湧き出すような笑顔に。
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受講生が最後に語られた言葉を少しご紹介します。
 
◇いやいや来ましたが、
 ここに来て、赤ちゃんのときは素直に出せていたのに、
 いつの間にか喜怒哀楽の出し方を
 忘れてしまった自分がいると気付きました。
 研修は途中、苦しかったけど
 今、再び、感情をさらけ出せるようになった自分が
 誇らしいです。
 
◇自分がどう思われているか不安で
 感情を出さずにひょうひょうとしていましたが、
 思い切って自分の不安を語り、人の不安も聞いたら、
 かえって不安がなくなりました。
 弱音を吐いてもいいんだ、と気づきました。
 弱みを打ち明けられる世界は、
 今まで感じたことのない安心感があり、
 心を開くってこんなに素晴らしいんだと知りました。
 
◇悪いことがあると、私はいつも人のせいにしてきましたが、
 原因は自分にあるということが分かりました。
 帰ったら、けんかをしている人に謝りたい。
 ここに来させてくれた上司にも感謝を伝えたいです。
 
◇ずっと、自分をどう出せばいいか分からずにいました。
 気持ちの伝え方も分かりませんでした。
 この年になって心を開くことを体験でき、
 私のこれからの人生は変わると思います。
 
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メイントレーナーの河村さんが
最後に贈られた言葉も心に残りました。
 
「みなさんは今、
 ある意味、絆というお酒に酔っているような状態です。
これから日常に戻るとクールダウンしていきますが、
それは悪いことではなく当たり前のことです。
炎はやがて消えます。
でも、3日前には赤の他人としか思えなかった人が、
いまは仲間に思えている。
さっきみんなで掃除をしましたが、
いままではゴミとしか思えなかった落ち葉が
いまは美しく感じられている。
この体験は火種として残しておいてください。
『炎は消える。火種は消すな』
 
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3日間、早朝から夜遅くまで、後ろの席で
一人一人の変容を見させていただき、
「人の表情って3日間でこんなに変わるんだ」
と感じました。
 
表情が晴れやかになっているということは、
心が晴れやかになっているということでしょう。
人生には心が曇り空になる日もあるけれど、
毎日をどんよりとした空の下で生きるより、
からっとした晴天と共に生きるほうがいい。
どんな空と生きるかは、自分自身で決められる。
その力に気付くために外部の力を借りるのもいい。
そんなことを思いました。
 
 
一つ、個人的な反省があります。
オブザーバー参加だった私は
最後まで裏方でいたいと思い、
懇親会のあいさつの打診を断ってしまいました。
 
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こういう、遠慮し過ぎるところが私の難点。
誰も喜ばない結果を生んでしまうんです。
すみませんでした。
 
後で「伝ればよかったな」と思ったのは、
次のようなことです。
自分は何者なのかという短い自己紹介と、
参加させてくれたことのお礼と、
みなさんの勇気に感動したということです。
 
心の殻を破るというのは、
きっと人として最も恐ろしいことのはずだから、
みなさんは人生の偉業を一つ、成し遂げたということ。
お一人お一人の一生懸命な姿や
自分と仲間にまっすぐ向き合っている姿を
本当に愛おしく感じたということ。
 
これからの日々の中、
今日の記憶は薄れていきますが、
体験した事実が消えることはないということ。
河村さんの「炎は消える。火種は消すな」、
三縄さんの「謙虚な話し方と感謝の心」を常に心に、
より素晴らしい人生でありますようお祈りしているということ―。
オブザーバー参加させていただいたことに感謝いたします。
 
熱海はさわやかな秋の風
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セミナー講師で経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。