2018.8.24
天外塾から派生した「武井塾」(塾長は天外さん)の
2講目に行ってきました。
テーマは「給料をどう決めるか」。
武井さんが社長を務める
不動産ITサービスのダイヤモンドメディア社は、
得意のITを駆使して、
自然にならう「自然(じねん)経営」をしています。
例えば、
「情報があらゆる方向に流れる仕組み」
「責任・権限の分散」
「計画を立てず、起きたことに適応する」
こうした組織を作られてきました。
ところが、
給料は自然界の仕組みにありません。
武井さんは、答えのない話を模索中としつつ、
考え方をさまざま提示してくれました。
後半は『ティール組織』の監修者である 嘉村賢州さんのファシリテーションで進みます
ダイヤモンドメディア社(DM社)は
全員の給料が社内審議・公開されていますが、
考え方の一つとして、
PL(損益計算書)の利益ベースで考えない というのがあります。
BS(貸借対照表=資産・負債・純資産)も意識して決めていくので、
「当期の儲けを分ける」という考えではないとのこと。
これは、なるほどでした。
今期の業績は、5年前の努力が実ったものかもしれない、
そのときがんばってくれた人は退職していないとしたとき、
たまたま今期、在籍する自分たちだけで分けるのは
違うんじゃないか、とも言っていました。
また、「黒字のときは分配するのに、
赤字のマイナスを分配しないのはおかしいんじゃね?」
(武井さんをまねて、私も若者風に書いてみました)
という考え(あくまでも考え)は、
権限を分散させている同社らしい発想だなあと
受け止めました。
(社員は保護する対象ではなく対等な仲間という意識)
DM社の給与の考えは3つあり、
特に③はユニークです。
①客観的な情報
(自社だけではなく市場はどうか)
②共有資産に対する貢献
(売上など数字だけじゃなくて、
ブランド価値を高めたとか、
人脈とか、無形資産も含む)
③相場を乱すものを考慮しない
(未来に対する期待値も、
一定期間の成果も、
自己評価も、業務内容の変化も考慮しない)
写真の木のおもちゃは、
武井さんが自然経営の組織イメージとして
持ってきた「テンセグリティ―」です
(テンション:張力とインテグリティ:統合の造語)。
そういえば数年前、
ホワイト企業大賞の天外さんたちとDM社を訪問した際、
私は机の近くに置かれていたテンセグリティで
勝手に遊び始め、
結果、壊しちゃったことがありました。
笑顔で許してもらいましたが、
すみませんでした m(__)m
私がやりそうなことだわ、ほんと。
写真のように立派なものじゃなくて、
細い棒と輪ゴムでできていたそれは、
簡単に作り直せると思ったけれど全然ダメ。
壊れるのも一瞬でした。
つまり、「部品」で出来ているプラモデルではない
ということです。
一つ一つが全体であり、相互的につながり合って
一つを形成していたんです。
武井さんによると、
センテグリティを作るときは、
最後にパッと瞬間的に出来上がるのだとか。
企業のブレークスルーを思い起こさせます。
講義の最後に天外さんが言った言葉。
「先端にいるということは面白い!」。
ほんとにそうで、
これまで知り得なかった先端を知り、
あそっか!と気づく瞬間は快感です(笑)。
面白いこと以上に面白いことはない。
また次回も楽しみです。
経営ジャーナリスト・講師の瀬戸川礼子でした。
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