こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
このところ、大手企業のデータ改ざん事件が
相次いでニュースになっていますよね。
あの会社に限って…と、
漠然と抱いていた信頼が崩れてしまった、と
嘆く人は少なくないのではないでしょうか。
私もがっかりした一人です。
その最中、
事件とは関係のない大手企業に
長年、勤めている方に会いました。
先の話題になったので、
「〇さんはどう思われますか？」と聞いたところ、
「なぜそうなるのか想像がつくんですよ」とのことでした。
いわく、
ほとんどの人は会社のために頑張っているはずだと。
でも、その思いが、
「とにかく納期に間に合わせろ」とか、
「とにかく原価をいくら以内に収めろ」
などと、近視眼的な命令に変換されて、
何のための仕事かを見失ってしまったんでしょう、と。
その結果の、データ改ざん。
会社のためにならないばかりか、
会社をおとしめ、
顧客からの信頼を裏切り、
社会を不安にさせ、
諸外国からの信用も下げてしまう。
冷静に振り返ってみれば、
やってはいけないことなのは明白なのに、
そのときは「やらなければならない」と思ってしまう。 
「では、それを止めるには何が必要だと思いますか？」
そう質問すると、その方は言いました。
「信頼でしょうね」。
これをいま、
経営者とその周りの人との信頼関係で考えてみます。
経営者が特権を利用して、
必要である既存のルールを無効にしてしまうことを
「経営者の無効化リスク」と、言います。
このとき、周りの取締役や監査役は
「ダメです」と、阻止しなければなりません。
それこそが、
「取り締まる役」や「監査する役」の真骨頂でしょう。
ところが、彼らも雇われている身である以上、
権力を持つ経営者との間に信頼がないと、
「降格されてしまうのではないか」などの恐怖が先に立ち、
保身のために口をつぐんでしまうわけです。
話を聞かせてくれたその方は、
「情けないと言えば情けないですが、
誰だって自分の立場が悪くなるのは嫌でしょうし、
守るべき家族だっているでしょうから、
そこに信頼がなければ、
役目を果たそうという勇気は持ちにくいわけです」と。
この関係性は、経営者と取締役のみならず、
上司と部下、
自社と得意先、
どんな場合にも当てはまりそうです。
だから、
規定を設けるよりも、
人と人との信頼こそがリスク回避策になるのです。
もちろん、改ざんの理由や対策は一つではないとしても、
「信頼」は大きな歯止めになるでしょう。
では、どうすれば信頼関係を育むことができるのでしょうか？
それはこちら ↓
よきリーダーが大切にしている７つのことをご覧ください ！
経営ジャーナリストの瀬戸川礼子でした。
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