きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

327人が助かった南三陸の「高野会館」


震災の年、2011年から毎年、仲間と南三陸を訪ねています。
5年目となった「東北みちみちツアー」。
宮城の南三陸では特別に、
冠婚葬祭場「高野会館」の中に入れていただきました。
同じ阿部長商店グループ「南三陸ホテル観洋」
女将・阿部憲子さんのご厚意です。

白い建物が高野会館

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東日本大震災のあの日、老人会が開かれていた高野会館。
スタッフは「生き残りたいなら帰らないでください!」と手を繋ぎ、
必死で人間バリケードをつくりました。
手をすり抜けて帰ってしまった方がいたのは残念なことでしたが、
残った方は全員、屋上に避難。
327人もの命が救われました。


土地のかさ上げが進む南三陸で、
残っている震災遺構はこの高野会館と防災庁舎だけになりました。


高野会館の所有者である民間企業の阿部長商店は、
ここは多くの人が助かった場でもあり、
津波のことを忘れない意味からも、
高野会館を意思を持って残しています。


そうした思いを町の方も抱かれているのでしょうか。
住民の方々から、これを壊してと連絡を受けたことはないそうです。

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保存費用や行政の理解など課題はありますが、
5年経った今、当時のまま残っている建物は激減しており、
これは貴重な震災遺構です。

屋上から、かさ上げされている町を見る

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この屋上まで津波はやってきました。向こうに見えるのは病院の4階。
ベッドに寝たまま流されていく人…。見つめる以外できませんでした…。 画像














10.7mものかさあげが進みます

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すべてのガラスや什器が流された館内はがらんとして、
ゴミだけが散らばり、無残としか言いようのない状態でしたが、
神殿だけは姿かたちが残っているのは不思議でした。
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多くの方が亡くなられた建物を遺すことが大切であるのと同様に、
多くの方が助かった建物も後世にとって貴重なメッセージを
届けてくれるはず。
課題を乗り越えて残ってほしいと願っています。

お辞儀をして私たちを見送ってくれたホテル観洋の昆野さん。
ありがとうございます。 画像










 





経営ジャーナリストの瀬戸川礼子でした。

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