こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
第一生命が毎年、子供に調査している「大人になったらなりたいもの」 http://event.dai-ichi-life.co.jp/campaign/minisaku/otona.html
これは、先日発表された２０１５年の結果です。 
ついでに、１０年前の２００５年はこちら
大人にはもはや思い描けない、自由な夢が多くていいですねー！
昔、私がやっていたエレクトーンの先生が10位内なのもうれしい。
ただ一つ、残念に思うのは、
「経営者」や「創業者」が見当らないこと。
さかのぼっても、一度もランクインしていません。
ちなみに私の職業、ジャーナリスト、講師、コンサルも圏外
職業そのものが子供に知られていない面があるから仕方ないです。
ただ、「社長」は子供でも絶対に知っているし、
数字的にはもっと上位ランキングに入っていいんです。
なぜなら
日本国内の事業者は３８６万者あり（平成２４年２月）、
それで、企業には支社があったりするから、
事業所ベースだと、５７６万８４８９の事業所があり、
つまりは約５７７万人のトップがいることになります。
日本の世帯数は５４５９万４７４４世帯（平成２５年３月末）あるので、
３８６万人の経営者や、５７７万人のトップ数で割ると、
１４世帯に１人は経営者がいるし、
９.５世帯に１人は組織のトップがいることになります。
もう、そこら辺に普通にいるわけです。私の父もそうでした。
一方、男の子１位の「サッカー選手」は何人かというと、
９６万４３２８人（２０１４年度。日本サッカー協会の発表）。
５６．６世帯に１人しかいません。
経営者はサッカー選手の４倍いて、
事業者のトップはサッカー選手の６倍います。
一方、女の子１位の「食べ物屋さん」はいくつあるかというと、
６７万０４６８店で、働く人は ４３６万８９８７人（２０１０年。調査５年毎）。
これは経営者３８６万人より多く、事業者トップ５７７万人より少ない。
逆に言えば、経営者と事業者の数は、
１位に引けを取らないばかりか、平均すればずっと多いわけで、
知られるには十分な数。
やっぱり、経営者はもっとランク上位に入ってもおかしくないんです。
それなのに、なぜ、ランキングに入らないのか？
理由は簡単なことです。
ランキング名の裏返しで、子供たちが「なりたい」と思っていないから。
なぜ 「なりたい」と思わないかというと、 「経営者はかっこいい」と思われていないから。
携わる人数がいくら多くても、それでは選ばれないのですね。
ここが残念。
なぜなら、本当はかっこいい仕事だからです。
ランキングに入る消防士さんやお医者さんのように、
経営者は人の役に立ち、人の生活を支え、時には人を救っています。
それも、一時的ではなく、始終。
社員とその家族、取引先とその家族、お客さま、株主など、
たくさんの人のために会社はあり、それを率いる大事な仕事です。
実際、私は、取材を通して男女問わずかっこいい経営者にたくさん出会い、
何度、胸を打たれたか分かりません。
社員の人生を好転させたり、業界のイメージを底上げしたり、素敵ですよ。
でも、子供たちはそう思っていないのです。
自分の父親や母親が経営者だという子供はたくさんいるはずなのに、
普段の言動が、かっこいいと思わせてくれないのでしょう。 これが理由の一つだと考えます。
また、ニュースで流れる企業の不祥事。
経営者が頭を下げる場面をこれだけ見せられては、憧れは抱けません。
ただ、取材先の経営者は、仕事の素晴らしさを子供が小さいうちから
伝えている人が多い感を受けます。
私自身も、小学生のときに父が起業し、仕事を家に持ち帰って休日も働く
姿を何度も見ましたが、その姿は大変そうというよりも一生懸命という感じ。
母も手伝って忙しかったはずだけど、両親とも仕事の愚痴は言わなかった。
独立して仕事をたくさんもらってがんばっているんだよと言っていたし、
私も見てそう思った。
私が独立できたのは、辛さよりもやりがいを見て育ったからだと思います。
日本は先進国の中でも起業率が低い国だけど、
子供のころから経営者に憧れを抱く人が多かったら、
起業率も高まり、つまり挑戦する意欲が高まり、
世の中の活気につながるはずです。
また、これからの人には、働くとは「雇われる」スタイルだけではなく、
人を雇うとか、自分で仕事を生み出すスタイルもあることを知ってほしい。
本当はどんな職業でもいいんです。
広い視野で働く幸せを感じてもらいたいなあ。
そのためには、いま働いている私たちが、喜々として働く姿を
見せることが大事だと思うのです。苦しいことばかりではないこと、
お金をもらいながら楽して嬉しくて仕方ないことがたくさんあること、
大変なことがあってもそれを含めて、働くことは素晴らしいと伝えたい。
独立１７年目に突入した、ジャーナリストの瀬戸川礼子でした。
＜おまけ。こんな調査もあります。＞
13歳のハローワーク公式サイト http://www.13hw.com/jobapps/ranking.html
アメリカでの同様の調査結果 http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20151201/Rocketnews24_671744.html
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