きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

「叱咤激励」の叱咤はダメージを与えるだけ

 

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

 


叱咤激励 (しった げきれい)。


よく聞く言葉です。


なぜこれをするかというと、要するに、


相手に対して、

「持てる力を存分に発揮してほしい」わけですよね



では、一つ質問です

もし自分だったら、
どちらをされたほうが
「よし、がんばろう」って思えますか?



叱咤…大声で叱りつけてほしいですか?

激励…大いに励まし、気持ちを奮い立たせてほしいですか?



人によって、状況によって、
選択肢は変わるかもしれませんが、

ほとんどの人は「激励」を
選ぶのではないでしょうか?

私も断然、激励派です。

以前は、叱咤も必要かなと思っていましたが、
大間違いでした。


もちろん言葉通り、
叱咤+激励のハイブリッド派もありますが、
現実的にはほとんど見かけません。

人間のやることですから、
だいたいどちらかに傾くようです。


幸い、周りにいてくれる大切な人たちは、
仮に私が何かに挑戦するとき、
叱咤は絶対にしないはずです。

その理由は、
「あなたならできるよ」と激励したほうが、
存分に力が発揮できることを知っているからです。
また、「相手を信じる力」を持っているからです。


オリンピックの金メダリストも、

激励を受けている人が多いと思います。

トレーニングは厳しくても、

叱咤されているわけではないでしょう。

大声を出していても、

必ずしも叱っているわけではないでしょう。


でも世の中には、

叱り飛ばすことが正しい

と思っている人がまだまだいます。


たまにドラマなんかで、

「ばかやろう!」なんてビンタして、
それで相手の目が覚めて、

頑張る場面がありますが、

あんなのは妄想。


現実では絶対にやっちゃだめですよ。


また、手は出さないとしても、

口で厳しく叱ってばかりいると、
相手の心はどんどん閉じて、

聞く耳を持たなくなっていきます。


さらに、口に出さないとしても、

顔が不満そうだと、

口で言う以上に相手にダメージを与えます。


日ごろ、心を開いて

コミュニケーションを取っていればまだ良いのですが、

叱咤する人はコミュニケーション下手な人が多いので、

相手を傷つけっぱなしにしてしまいます。


すると、人には防衛本能があるから、

これ以上、傷つけられまいと、

心に殻をかぶるようになります。

 

相手が上司だろうが、

エライ人だろうが関係ありません。

いやなものはいやなのです。


ついつい叱咤ばかりしてしまう人は、

「やらないから叱るんだ」と言うのですが、

もともとやらないんですから、

もっとやらなくなるだけですよ。


急いでいるから仕方がないと思うなら、

「急がば回れ」という

先人の言葉を思い出してください。

 

人のやる気は、

叱られて突発的に出るものではないんです。

 

むしろ、励まして、応援したほうが、

後々、スピードが出るでしょう。


本気で、

「持てる力を存分に発揮してほしい」

と思うのなら、

ちょっと考えてみてください。


自分は相手の潜在能力を

本気で信じているだろうか、と。


コンサルタントで経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。