今日は出会いの一日でした。
1つ目の余韻に浸っていたそのとき、
2つ目の出会いがありました。
駅で難儀していたおばあさんです。
右手に杖、左手に四輪のキャリーバッグ、
肩と首にバッグを下げて大変そう。
「お手伝いしましょうか」
「お願いします」
ということで、ご希望のデパートまでご一緒しました。
おばあさんの名前は美智子さん。
背が低いし、腰が曲がっているので、
身長は私のウエストくらいしかありません。
ゆっくりゆっくり歩く道中、
身を屈めながら会話をするわけですが、
美智子さん、ただ者ではなかった!
「あなた、なんの仕事をしているんですか」
「あ、私ですか?」
「あなたしかいないじゃない」
「あ…(^^;) はい、私は記者です。
いい会社をたくさん取材させていただいています」
「いい会社ってどういう会社?」
「そうですね、働く人が幸せで、
お客さんからも愛されていて、
社会にも必要とされ、
結果として業績も出ている会社のことです」
「働く人が幸せってどうやってみるの?」
「えーっと、本人に聞いたり、仕組みを考慮したり、
雰囲気や表情から感じますし、離職率もみたりします」
「そうね。仕事、どんなときが幸せですか?」
「やっぱり素敵な人との出会いがあったときです。
午前中もそうだったんですけど、
ご褒美というか、幸せって思います。あなたは?」
「私は仕事はしてないけどね、
ご先祖さまを供養できることが幸せだし、大事にしてるの。
仏教を学んでね。毎日お経を2回唱えているのよ。
自分の命をつなげてくれたご先祖さまを大事にすることは、
平和につながるの。みんなそうなれば世界が平和になるでしょう」
「ああ、それはとっても大事なことですね。
あの…、仏経を学ぶと、何か楽になったりするものなんですか?」
「楽ってことはないのね。
ただ、徳を積ませてもらっているような、
有り難いという感覚があるのね。
魂は残ると私は思うから、
魂をきれいにするのは大切だと思う。
ところであなたいくつなの?」
「わたしですか?」
「また同じこと聞いて」
「あ、すみませんっ。
んー、堂々と言える年でもないっていうか(笑)」
「私は81歳よ。あなた堂々としてなさい」
「はい!」
途中、デパートのベンチに座って、
会話はさらに続き、
1時間後に名前と住所をもらって、さようならしました。
美智子さんのひとことひとことは、すべて的を射ていました。
態度も、受けるものは受ける、拒むものは拒むと、一貫しています。
それから、これはすごくいいな!と思ったのは、
美智子さんは一度も私に「ごめんなさいね」って言わなかった。
若くて時間のある人が、
困っている高齢の人を助けるのは当たり前で、
別に謝ることじゃない。
助けられている自分を卑下しない
カッコよさのようなものを感じました。
それに会話の通り、
得をしたのは私のほうなのでした♪
美智子さんは足が悪いのだけれど、
毎年、バンコクへ祈りに行き、今年も行かれるそうです。
帰ってから、沖縄の未知子先生の声が聞きたくなってお電話して、
さらにうれしくなって、とにかく恵みの一日でした♪
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。