きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

就職氷河期でも売り手市場?


NHKのヒューマンドキュメンタリー

「こうして8人が選ばれた」を観ました。


就職氷河期によって、

高学歴の学生が中小企業にもやってくるようになった、

と言われて久しいですよね。


この番組では、

そんな学生と中堅企業との駆け引きが取り上げられていました。


http://cgi2.nhk.or.jp/navi/detail/index.cgi?id=6720110826


番組HPより

「就活人気の中堅企業の最終内定まで、

 1000人に及ぶ学生から8名を選び抜くプロセスに完全密着」




人材採用は、会社にとって非常に大事な仕事です。


この中堅企業の経営者は採用に熱心で、

一次面接から副社長とともに面接に当たります。


情熱がひしひしと伝わってきます。


でも、その情熱に接した学生の一人に

「ワンマン社長なのでは?」 なんて思われてしまう。


…むずかしいですね。



数社の内定が取れる学生と、

喉から手が出るほど優秀な学生が欲しい中小企業では、

力があるのは学生のほう。



番組では、お互いの力関係が顕著に描かれていました。



就職氷河期になったことで、

売り手市場(学生が強い)から、買い手市場(会社側が強い)になった、

と言われますが、番組を見る限りでは、断然、売り手市場です。


(売り手、買い手という言葉はあまり素敵じゃないですけれど)



登場した学生を見ていると、

「自分が会社にとってどう役立てるか」よりも、

「会社がどう自分を守ってくれるのか」

のほうに優先順位があるような気がしました。


でも、不安定な世の中だし、

育ってきた環境をかんがみると、仕方ないのかな。


とにかく、これが現実ならば、受け止めるしかないでしょう。



私は有名大学に行っていないし、そもそも大学に行ってなかった

会社には「入れていただく」という感覚で就職・転職してきたので、

番組を見て、「へー」という感じがありました。80へぇ(←古っ)


せっかく内定を出したのに、

学生から辞退された会社の社長さんは気の毒に見えたけれど、

この悔しさが、「どうしてもここに入りたい!」と

思ってもらえる会社になるための糧になればいいですよね。



そして! 一番大事なのは、入社した後。


会社は「この会社で働けて本当によかった!」と、学生から思ってもらえること、

学生は「この人が入ってくれて本当によかった!」と、会社から思ってもらえること、


就職活動も、採用活動も、

このためにあると言っても過言ではないと思います。



なので、紹介されていた会社と学生の間では、

「理念の共有」や「人柄」、「相性」があまり重視されていなかったことが

ちょっと気になりました。