こんにちは。ジャーナリストの瀬戸川礼子です。
ＮＰＯ法人「テラ・ルネッサンス」のhttp://www.terra-r.jp/ 鬼丸昌也さんのセミナーに行ってきました（ａｔ青山）。
どの話も胸に迫り、ポタポタ 涙が止まらず…、 かと思えば、鬼丸ギャグ炸裂で何度も笑わせてもらい、 涙腺と腹筋がものすごく活躍した、あっという間の2時間でした！
鬼丸さんとは何度かお会いする機会があって、 その仕事ぶり、その考え方、情熱、楽しさ、お話の上手さなどなど、 尊敬しているのです。
2001年に初めてカンボジアを訪れ、 もうその年に「テラ・ルネッサンス」を設立されました。行動が早いです。
カンボジアでの地雷除去支援などに力を注ぎ、 現在はコンゴやウガンダで、元・子ども兵の社会回復帰支援も 行なっていらっしゃいます。
子どもを誘拐し、その素直さを利用して従順な兵士に育てる地域が 世界にはたくさんあるそうです。
ある少年兵は、育った村に連れて行かれ、母親を殺せと命じられます。
いやだ、と拒むと、ボコボコに痛めつけられました。
殺せないなら、女の腕を切り落とせ。そうしないとお前も女も殺す。
元少年兵は、母と自分が殺されない道を選ぶしかありませんでした。 このことは現在も彼を苦しめています。
軍はわざと、育った村でひどいことをさせ、帰る場所をなくすのです。 脱走兵を減らすためです。
耳を覆いたくなるような話、目を伏せてしまうような残酷な絵。 でも、受け止めなければ。
鬼丸さんは語ります。 日本にも虐待がある。 人々の無関心さが引き起こす、非人間的な事件が日常的にある。
カンボジアと何が違うのか。 コンゴと何が違うのか。
自分の中にも「心の地雷がある」と鬼丸さんは言いました。 私にもある、と思いました。 子ども兵をあやつる兵士を、私には攻める権利などない。
恐ろしく貧しい国が、たまたま有するレアメタルなどの資源。 それらを守る・奪うための戦いに子どもが使われています。
そして、資源を買っているのは先進国です。 自分が使う製品のどれかにも使われている。
鬼丸さんはこの循環に気付いたとき、 彼らの足を踏みつけながら、支援していることに 矛盾を感じたそうです。
支援活動に意味などあるのか、自問自答されたそうです。 いま現在も、何が変わるんだ、と思う自分がいるのだと。
リアルな告白に共感しました。 次の言葉を、私はしかと胸に刻みました。
「僕は“私たち”という言葉が一番嫌いです。 私たちって誰ですか。どこにいるんですか。 “私”がやればいい。自分が変わらなければ」
最後に、元こども兵士たちのビデオが流れました。 テラ・ルネッサンスの支援によって、 手に職を得て、仕事も得て、 生活を送ることのできている方々です。
数年前には無表情だった方々が、微笑んでいました。
日本の現状を伝えるビデオを見たコンゴの元少女兵は、 ３万人以上の人が自殺していることに驚き、 大変なんですねと悲しみを理解しようと努め、 日本のみなさんの幸せを祈ります、と語りました。
私は身動きができなかった。
想像を絶するほどの、人間以下の扱いを何年も受け続け、 ずたずたにされた人が、
戦争もない、ひもじくもない、豊かな日本に暮らす人の幸せを 祈ってくれる…。
人間の慈悲とはなんと深いことか。 人間の優しさは無限だ。
今日は、真髄に触れられたように思いました。
私にいまできることは、この人の優しさに報いること。 それは幸せになること。笑顔で人に優しくすること。 周りの人や世界にもっと関心を持つこと。 寄付もできる。 こうして子ども兵の現状を伝えることもできる。 自分がやる。自分にできることを行動していこう。
鬼丸さんのセミナー、こちらのネットＴＶで視聴できます。 （画面、少し下にコンテンツがあります） 一番いいのはライブで！ ぜひ聞きに行かれてください。 http://www.ustream.tv/channel/ti-dasquare?lang=ja_JP
先日の『ＡＥＲＡ』（１月３１日号）の「現代の肖像」にも 取り上げられていらっしゃいます。
セミナー後、鬼丸さんと。 ご著書『こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した』 にサインを。 
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