きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

森林整備という仕事 ~サトウ草木さん~

 

こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。

 

今日は、神奈川県相模原市の「サトウ草木」さんの取材でした。
森林整備を行なっている、相模原では有名な会社です。

 

社長の佐藤好延さんは、地元で消防士を27年間 務めた後、
「森林整備に携わる若い労働力を育てたい」という思いを胸に、
15年前、49歳でいまの会社を創業されました。

 

本業の森林整備のかたわら、地元の子どもたちや大人たちに
森について知ってもらいたいと、森林教室などさまざまなイベントを
行なっていらっしゃいます。その数、年に30近く。

 

「かながわ未来につなぐ森づくり賞」も受賞されました。




整備が済んですっきりした里山を案内していただきました。
伐採した杉の木が横たわります。後ろ姿は佐藤さん。
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マイナスイオンたっぷりの森歩き。気持ちよかったです♪
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こちらは整備対象ではなかった隣の山。
整備が済んだ上の2枚の写真と比べると、一目瞭然です。
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若い時は年輪の幅が大きく、ぐんぐん成長するのが分かります。
この木は、20歳のときに何かがあって年輪が崩れてしまいました。
そのまま崩れ続け、約40歳で切られました。
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と、人間に例えると…、分かりやすいけれど、悲しいですよね。

 

なので、サトウ草木さんでは、
森林教室などで年輪を説明する際、
絶対に人間に例えないようにしているそうです。

 

それに人間は、挽回できますからね!



朽ちていく落ち葉もまた、美しいです。
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山とともに育ったという佐藤好延さん。
今後は森林整備のほか、
地元「津久井」(つくい)の木で地元の大工さんが作る家づくりを
手掛けていかれるそうです。「家の地産地消」、いいですね。
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森の地図
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日本は国土の七割が森林で、緑多き国ですが、
荒れて整備が待たれる森がたくさんあります。

 

荒れる理由はいくつかありますが、
たとえば、誰も住まなくなった家が荒れていくように、
人の生活が森から離れるようになったことも荒廃を進ませたそうです。



森という自然の中で働くことには夢があるけれど、
佐藤さんによると、

 

・日本の木製品の75%が外材であること、
・年間の仕事量が通常、9カ月分しかないこと、
・危険を伴う仕事であること(最も事故死亡率が多い仕事です)
・夏の暑さ、冬の寒さなど厳しい仕事であること、
・でありながら給料が低いこと、
・後継者が育ちにくいこと
・高齢化していること(65歳以上が37%。20代8%、30代11%)
・行政のサポートの不足

 

などなど、課題はそれこそ山積みです。



でも、喜びも大きそうです。
整備された里山を一緒に歩かせていただいたとき、
「山が喜んでるなあ!」と佐藤さんはおっしゃいました。

 

消防士時代のように、
人間から感謝されることは減っても、
物言わぬ山が、木々が、
「ありがとう」と言ってくれるのですね!

 

30代で転職してきたという社員の方も言っていました。
「体を動かすことが好きだし、山がきれいになると、
本当に気分がいい。森の中で食べる弁当は最高ですよ」と。



地方に出張に行くと、
森の話になることがあります。
今日の取材を
私なりに広くお伝えさせていただきたいと思います。

 

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現場からは以上です。
瀬戸川礼子でした。