こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。
巣鴨信用金庫の本店へ取材に行ってきました。
本店は、“おばあちゃんの原宿”として知られる、
巣鴨地蔵通り商店街の入り口近くにあります。
「ホスピタリティ」を登録商標しているユニークな信金です。
http://www.sugamo.co.jp/index_h.html
東京の城北地区と埼玉の県南地区を営業エリアに、
44店舗を展開している巣鴨信用信金(以下、「すがも」)。
97年から、
「金融機関」→「金融サービス業」→「金融ホスピタリティ業」と、
自らの存在価値を変化させてきました。
パワーポイントによる説明を受けた後、
2~3人の職員の方々に
インタビューさせていただくという取材スケジュール。
まずは、説明をうかがうための研修室に到着しました。
すると! 部屋の入り口にウェルカムボードが♪
地元の商店街で売られているおいしい豆大福、
お地蔵様をかたどったお煎餅、そして資料。
「うわー♪」、
「ここまでしてくださって☆」と思わず感嘆してしまいます。
しかもここは金融機関です。
このギャップが素晴らしい。
歓迎してくださっている心とその表現。
どれだけ体験していても、
やっぱり素直にうれしいものです。
にこやかに登場されたのは、顧問の田中実さん。
ES/CSとホスピタリティの取り組みを
先導されてきた立役者から
パワポで詳しくご説明をいただきました。
(ウェルカムボードもスライドも田中さんが作ってくださいました)
この取材記事は、経営情報誌に寄稿するほか、
今後の私のセミナーでもお伝えしていきたいと思っています。
ここでは抜粋してご紹介しましょう。
すがもの金融機関らしい、
かつ、目を引くサービスとしてはーー、
・通常より5分早い8:55オープン
・午後3時以降は、午後7時までATMコーナーに職員窓口を設置
・ATMは365日稼働&時間外の入出金手数料0円
などがあります。どれもうれしいですよね。
金融機関はどこも午後3時には閉まってしまいますが、
9-15時のコアタイムさえ守っていれば、
別に早く開けても、遅くまで開けていてもいいのです。
金融機関の都合で、それをしないだけなのです。
さらに、すがもではこんなサービスも。
・来店の難しい高齢者には、年金を無料宅配サービス
・年金感謝デー(偶数月15日)には野菜などをプレゼント
(他金融機関は取り扱いの便利なプラスチック製品を配るが、
すがもは非効率だが、お客さまに喜ばれる物をプレゼント)
・巣鴨の縁日にはトイレを開放。ホールを無料休憩所に。
落語家による演芸会やお茶&お煎餅のサービスも。
・住宅ローンを組んだお客さまへのサービスとして、
職員が住宅工事現場を3回訪問。進行確認と写真撮影をし、
完成時にはアルバムにしてプレゼント
・住宅ローンを組み、すがもをメインバンクにしたお客さまには
最大5万円をキャッシュバック
(金融機関で“キャッシュバック”という発想が斬新)
どれも面白いですよね。
ほかにもたくさんのオリジナルサービスがあるのですが、
いずれも、「金融機関がここまでやるの?」というもので、
心を伝えるホスピタリティを実践されています。
職員の方々の意識改革にも力を注がれてきました。
規制によって守られていた、
がんじがらめにされていた業界は
新しい風を起こすのが苦手とされていますが、
すがものような例を見ると、
できるんだ、という勇気を得られます。
すがものみなさま、
ご協力ありがとうございました!