「それいゆ」主催のセミナーに参加してきました。 テーマは、『未来をひらく シャープのブランディング活動 ~その時、社員の心が動いた!~』 http://www.e-soleil.biz/index.html
講師は、長年、シャープのブランド戦略室のリーダーを務められた後、 2年前に定年退職された石井ブランド戦略研究所代表の石井彰さん。
誰もが知る商品「AQUOS」がトップブランドとなるまでの物語を、 テンポよく、情緒的に話してくださいました。
シャープのTV「AQUOS」は、 2010年時点で10年連続の売上高ナンバーワン。 私も消費者の一人です。 http://www.sharp.co.jp/aquos/
コストの低い国外に工場を設ける家電企業が多数の中、 2002年、愛知県に亀山工場をオープン。
国内で一貫生産をする強みを「亀山モデル」として打ち出したり、 吉永小百合さんによる企業イメージアップのCMに注力したり、 さまざまな取り組みに本腰を入れて取り組んできたといいます。
ブランド戦略に取り組み始めた12年間の1998年。 シャープは家電業界9社中、7位のランク。
にもかかわらず、当時、社長に就任した町田氏は 「AQUOUSを憧れのブランドにする!」と宣言。 ぶれることなく、同じことを徹底して言い続けたそうです。
中でも印象的だったのは、石井さん率いる「ブランド戦略室」の話。
ブランドを強固にするに当たって、 全社に対して、シャープの創業精神、ブランドとは何か? なぜブランド力を持つ必要があるのか、AQUOSの魅力とは何か? などを伝えるという大きな仕事がありました。
戦略室の14人は、伝道師としてその思いを社内に伝えます。
さて、ここからが感心する点なのですがー、
彼らは役目を担うために、まず、社内用に独自の教科書を作りました。 カタカナをできるだけ使わず、誰にでも分かりやすい日本語で。
さらに、14人全員がしっかりと全社員に伝えられるように、 口の体操や発音のトレーニング、話し方のトレーニング、 ロールプレイング、教材の理解度のチェック、心構えなどなど、 なんと半年間もかけて、一人前の伝道師となるべく特訓したのです。
そんな彼らの肉声で全社員にシャープのブランド戦略を じっくりと伝えていったといいます。
「広告活動だけで、顧客の信頼・信用はつくれない」と石井さん。 「社員一人ひとりの思いが非常に大事です。 そうした企業や商品に対して、お客さまがブランドをつくってくださる」と。
主催の「それいゆ」はこの日が8周年。 代表の石川正子さんに、参加者全員から拍手が送られました。
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