沖縄県うるま市の小・中・高校生が演じる、
「肝高の阿麻和利」(きむたか の あまわり)の
東京公演を観てきました。
2000年の初演から、
150回余りの公演で観客動員数は9万人超。
子どもが演じているとは思えない見事な舞台です。
時は1456年の琉球時代。
「阿麻和利」という名の王の勇姿を描いた現代版組踊(ミュージカル)。
雅楽の東儀秀樹さんも特別出演されて、
ところどころで美しい笙(しょう)の音色を聴かせてくれました。
ストーリーもさることながら、
なにがすごいって、子どもたちの生き生きとした姿です。
好きで好きで仕方ないという感じが伝わってくるのです。
ああいう表情って、久し振りに見た気がします。
最後に見たのはいつだったんだろう。。。
芸能人を目指してアクターズスクールに通っているわけでもない、
ごく普通の沖縄の子どもたちなんですよ。それがどうしてここまで?
総合演出は平田大一さん。
「島のはじからはじまで3分47秒」の小浜島(「ちゅらさん」でおなじみ)で
生まれ育った「南島詩人」。風雲児ぶりは阿麻和利とオーバーラップします。
10年前にスタートしてから今日までの道のりは、悲喜こもごも。
キックオフ初日に集まった子どもはたった7人だったそうです。
徐々に生徒が集まるも、
隣同士の学校ほど仲が悪かったり(分かる分かる)、
舞台初日の朝まで「この子も入れて」と
新しい子が入ってきたり(ありそう)
本番の朝、セリフを間違えてる子が
大勢いたり(あるかも)。
初日がこんなドタバタだったら、
普通は「キーッ」ってなりそうですけれども、
平田さんはゲラゲラ笑って子どもたちを送り出します。
「本番もこのまま行けー!」
それから10年。
子どもたちは高3で卒業していき、新しい子どもたちが入ってきます。
最初は恥ずかしくて声も出せなかったという子どもたちの演技、歌、演奏。
ここまで変わるのかと思うと、平田さんや子どもたちやサポーターである
ご家族に尊敬の念を抱かずにはいられません。
「肝高」(きむたか)
沖縄の古い言語で、
「志が高い」・「心豊か」・「どっしり構える」などを意味するそうです。