先週の話になってしまいましたがオバマさんが当確しましたね。
アメリカ初の黒人大統領ということで注目されていますが、
よくよく考えると本当に歴史的な出来事だと思います。
「ルーツ」というテレビ番組をご存じですか(アメリカ、77年制作)。
http://www.superdramatv.com/line/roots/
「黒人奴隷の問題を真正面から描き、
社会現象と言えるような大反響を巻き起こした」
(ウィキペディアより)物語です。
1977年、アメリカで放映されたときの平均視聴率は51.1%!
エミー賞9部門受賞、最優秀テレビシリーズ賞受賞の作品です。
日本でも同年に放映。小学生だった私も夢中で見ました。
主人公は、アフリカのガンビアに住む少年、クンタ・キンテ。
ある日突然、何の前触れもなく拉致され、
その日を境に、彼の奴隷としての人生が始まってしまいます。
おぼろげな私の記憶ですが、
確か、草原で友達と遊んでいたんです。
子どもらしい楽しい時間です。
でもそこに奴隷商人が忍び寄って来て、
クンタ・キンテたちに網をかける。
まるで動物のように人間を捕獲する、非道なシーンでした。
奴隷船で着いたのはアメリカ。
差別に暴力に過酷な労働…、
彼は人間未満の扱いを受け続けますが、
そうした環境の中でも、
魂を捨てずにたくましく生きていくクンタ・キンテ。
ある回では、
「ご主人さま」にひどい仕打ちを受けた一人の奴隷が脱走を
図りますが、あえなく捕まってしまう。
そして、もう二度と逃げられないように
斧で足の指を全部、ばさっとやられてしまうシーンがありました。
…書くのも辛いです。
でもこういうことが現実に行なわれていたということですよね…。
後日、奴隷の家族は、指のなくなった足に合うように、
心を込めてソックスを編み、プレゼントします。
無言でソックスを手渡し、
無言でソックスをはき、
無言で抱き合う。
悲しくも優しい、
そんな胸に残る場面もありました。
黒人奴隷が公然と存在していた18世紀半ばから時代は流れ、
あの番組から30余年が過ぎ、オバマ大統領がもうすぐ誕生です。
ファーストレディとなるミシェル夫人は奴隷の子孫だそうです。
本当に歴史的な出来事だと思います。
まさに「 change 」.
経済や環境や医療や教育や格差やいろいろな問題が山積みですが、
これらと同じくらい、
いやそれ以上に大きかったであろう
「人種差別」という問題を乗り越えた
オバマさんのこれからの活躍に注目したいと思います。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。