きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

バオバブの花と神社


京都~福岡と、飛び石講演(?)があり、 あいだの一日を休日にして京都の街を散策してきました。 翌日の体調を考慮して、5時間のショートコースです。 北山~上賀茂神社~四条河原町を回りました。
北山はおしゃれなお店が点在するエリアですが、 今回のお目当ては北山駅から徒歩0分の府立植物園。 前日の京都新聞の一面に、青い昼顔のアーチが見ごろだと その一部だけ写真で掲載されていたのです。
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回廊のように青が続く空間を期待していたのですが、青いタコでした。 ま、これはこれできれいでした。 でも、もっといいものを見ることができたのです。 『星の王子さま』(サン・テグジュペリ)に登場するバオバブの花。 バオバブの木に花が咲くなんて。この目で見られて幸運でした。 画像 画像画像









年配のご夫婦がベンチでお食事中。 素敵な“絵“ですよね。 画像


















そのあと鴨川沿いをぶらぶら歩き、世界文化遺産の上賀茂神社へ。 500円払うと中の一部を見せてもらうことができ、しかも神主(?)さんが 神社の歴史や運営面のお話まで、20分も割いて聞かせてくれるんですよ。 ご親切な神社です。 歴史はこちらで見ていただくとして→ http://www.kamigamojinja.jp/ 普段、あまり聞くことのないお財布事情をご紹介しましょう。
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上賀茂神社は、よく見られるように流れ屋根といって、ヒノキの皮を割いて 屋根をつくるそうです。ぱっと見、かやぶき屋根と似ていますね。 これを21年ごとに新しくするのが決まりですが、 問題がもろもろあってなかなか大変そうです。
①昔は40年は持ったが、いまは酸性雨の影響で耐久性が低下している。
②野生のアライグマがかじって屋根に穴を開けられてしまう。  もともと存在しなかった動物だが、ペットとして飼われ、放棄されて野生化。  一か所の補修に数十万かかるので簡単に補修できず板で補修している。  アライグマの駆除もしているが、十数匹も一度に生むのでいたちごっこである。
③神社仏閣は日本中にあり、ヒノキを屋根に用いるところも多いが、  環境の影響もあってヒノキは減っており、奪い合い状態。  上賀茂神社は世界文化遺産ということもあって、多少は優先してもらえるが、  それでも材料をそろえるのは大変で、競争が激しいため価格も高い。
④職人さんの数も減っているので、こちらも奪い合い。さらに価格が上がる。
⑤行政から多少の補助金が出るが、京都はお寺が多いので、   補助金は細分化されて1社(神社の社です)当たりに渡る金額は少ない。   ライバルの少ない地方の神社仏閣のほうが恵まれていたりする。
⑥文化遺産になっていることは誇りだが、それだけにきちんとメンテナンスを  しなければならず、これがプレッシャーにもなっている。

いかがですか。神社仏閣の経営も大変そうですよね。 出張先の空き時間などに、たまに観光でお寺に行くと、 やたらと賽銭箱が置かれていて、興ざめだなと思っていたのですが、 こういう話を聞くと、賽銭箱を置きたくなる気持ちもなるほど分かる気がします。 もっといい置き方がある気もしますが、 でも…、賽銭箱の置かれる意味は、「願い事をよろしく」ではなくて、 「これで文化を守ってね」、なのかなあ、なんて思ったりもしました。 ====