きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

臆病者のオリンピック“感染”


連日のオリンピック放送。

はらはらしっ放しで、寿命が縮みそうです。

指の隙間から見たり、新聞を読むふりをして画面から目をそらしたり、

たまらずに途中でチャンネルを変えたり、ああ生きた心地がしません。

普段、スポーツ狂ではないのに、これもミーハーの一つでしょうか。


なんとか頑張って見続けたのに選手が負けてしまったときには、

もしかして自分が心配し過ぎたせいじゃないか、なんて

まったくこれぞ大きなお世話ですが、そんなことを思ってしまいます。


見なかった試合が、「激戦の上でつかんだ金メダル」 だったりすると、

「見ないで良かった」と安堵して、落ち着いて再放送を見ます。


要するに臆病者です。


あと1週間残っていますが、オリンピックという特別な空間での出来事は

テレビのこちら側にまで特別な思いを抱かせてくれますね。

ぜんっっっぜん更新されない、私が好きなアーティストのブログが、

この期間だけオリンピックネタで毎日、更新されていたりして(よしよし)、

こんなところにもオリンピック効果を感じます。


口ぱくとか、CGとか、ほとんど漢民族だったりした開会式の演出や

行きすぎた報道規制については賛成できませんが、

ありがとう北京オリンピック。もっとありがとうオリンピック選手たち。


年を取ったということなのか、この夏は一つ反省することと重なったからか、

選手の言葉や表情一つ一つに、いちいち泣けてしまう夏です。


北島康介選手ら、金メダルを取った選手のうれし涙を見てはもらい泣き。

ポーカーフェイスの裏で、どんなに大きなプレッシャーと戦っていただろう、

家族やコーチや周りの人はどんなに安堵しているだろうと思うと…。


また、谷選手のことを10日のブログで書きましたが、負けた選手から

教わることはさらに多いです。


レスリングの伊調姉妹の姉・千春選手。

彼女は前回のアテネで銀だったとき、表彰台で露骨にふてくされた顔を

してちょっとした議論を起こしましたよね。後日、本人も反省していました。

負けて落ち込んでいる上に、ほかのことでも謝らなくちゃいけなくなった。

さぞ自己嫌悪に陥っていることだろうと思って、妙に印象に残っていました。

今回は堂々と金を取ってほしかった。


準決勝までは息を殺しながら画面を見つめていましたが、私はここで力尽き、

勝戦を見る度胸を喪失。

次にテレビを見たとき、ほかの国の国旗がはためいていました。


でも、今回の千春選手はアテネとは違いました。

表彰台ではすがすがしい笑顔で、大事そうに銀メダルを頬に寄せていました。

「この4年、馨と一緒に歩んできた道は最高の道だったから、

 この道を歩んで来られたことは私の誇りで、このメダルも金メダルです」

4年前からいままで、尋常じゃない様々な経験をしたアスリートの言葉。

うん、そうだ。 「そうだよ!」 思わず言ったそばから涙が止まらず。年かな。


妹・馨選手の金も光っていました。

「2人で取った金。あいつ(千春)の人生は砂利道だらけだけど、

 それを進んでいく千春が好きだった」

強い妹にこんなことを言ってもらえるお姉ちゃんってかっこいいな。

私も妹と弟を持つ姉ですが、うーん、、、足元にも及びませぬ。


浜口京子選手の銅メダルは、金のような喜び方が、逆にぐっときました。

父親の影響もあって、最も露出が高く注目されているのに、金が取れない。

想像するのもキツイ立場だから、そんな彼女の喜ぶ姿は救いでもありました。

考えすぎかもしれないけれど、周りの人を気遣って喜んでいたとしたら、

千春選手のときも、ふとそう思いましたが、もしもそうだとしたら、

彼女たちは最高の徳を持つ人間だと思う。

でもこんなことを考えてしまうのは、むしろ失礼かもしれません。


会場から出る娘の頭上で 「ロンドン、ロンドン」と叫ぶアニマル父さんには、

「休ませてやれー」と、画面の前で突っ込みを入れた野次馬・私でしたが、

さすがは娘。「まだやりたい。やらせてほしい」と言ったんですねえ。

インタビューで「完全燃焼」と語り、それは並みの完全燃焼じゃないはずなのに、

またこれから4年間、試練の日々を続けようと思えるなんて信じられない。

もっともっとプレッシャーも高まるというのに、なんという強さ、ひたむきさ。


彼らの戦いを思えば、自分が何かで苦しくなったとき、たいしたことじゃない

と考えられる。 …かもしれません。

野口みずき選手の欠場、土佐礼子選手の棄権。本人はさぞ、やるせない

気持ちでしょう。どう立ち直るのか、見当もつきません。。。



ボルト選手はジャマイカのみならず地球の英雄になりましたね。

100m 9秒96! 50mじゃないんですよね。チーターでもないんですよね。

あのレースでは、口があんぐり開いてしまいました。

でもひとこと言わせてほしい。なぜ途中で両手を広げてしまうのと。

タイムのことじゃなくて、最後まで全力で走り抜いてほしかったなあ。

一視聴者のつぶやきです。




それはそうと、松岡修造さん。

暑い、いえ熱いです。応援王。

うっかり松岡さんを応援しそうになります。