きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

「なぜ中小企業診断士に?」  31. 大学院での企業診断実習


こんにちは。

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。



中小企業診断士になるまでの経緯をつづる
33回シリーズ「なぜ、中小企業診断士に?」
今回は31回目です。
 



6年間にわたる中小企業診断士試験の浪人を経て、
2007年春に法政大学専門職大学院
MBA&診断士コースに入学した私。

 

その6月から、
企業診断実習がスタートしました。

 

実際の企業に出向き、
コンサルタントの卵であるわれわれ学生が、
経営診断をさせてもらうのです。



診断士コースの全14人が、2班に分かれ
7人1グループに1人の先生(診断経験のある教授)
が付いてサポートしてくれます。



卒業までに診断する企業は5社。
1社目 製造業
2社目 コンビニ
3社目 イベントサービス業
4社目 IT関連
5社目 家電小売業



基本的な流れは、ざっくりとこんな感じです。

 

1. 事前に、企業や市場環境を把握
2. 企業に出向いて見学とヒアリング
3. 現状認識と将来へ向けた提案の精査
4. 報告書作成 (80~100ページくらい)
5. 企業での診断発表 (パワポを使って約2時間)



1社についての診断は週2日
(1回2コマ=3時間)×4週間ですが
これだけで終わるはずもなく、

 

極力、チームで時間をつくって進めました。

 

機密保持のために内容は書けませんけれども
実習を通して個人的に感じたことは次のようなことです。



【診断実習で感じた6つのポイント】
・企業は人なり
 これを改めて実感。企業は、働く人がそう働いたとおりの姿になる。

 

・第3者の存在
 自社を客観的に見つめる他者の意見をうまく取り入れることは有効。
 このとき、受け入れる側に許容する姿勢がないと話にならないが、
 診断する側も、相手にその気になってもらえるような質のよい意見と
 そして情熱や愛情が絶対に必要。
・感受性の違い
 7人のチームで1社をコンサルするので、多様な意見が出た。
 同じ企業の同じ情報を得ても、重要視するテーマが異なることもあった。
 理想を追って大きく出ようと考える人もいれば、
 現状に即して出来ることからやっていこうと考える人もいる。
 どこかに正解が埋まっているかもしれない。
 つまり、選択肢を最初から狭めないこと。
 この経験を忘れず、広く深い視野を持ち続けるように努力していきたい。

 

・チームワーク
 短期間で1人でやろうとしたら、とてもできないことがチームならできる。
 独立して10年近く、ほとんどの仕事を1人でやってきた私にとって、
 チームワークの素晴らしさを実感できたことは大きなポイント。

 

・感謝
 実習先の企業は、財務状態を含んだ企業情報や運営上の悩みを
 われわれに伝えくれた。無料診断とはいっても診断するのはプロでは
 なくアマチュアであり、普通はあまり歓迎されないのではないだろうか。
 ご協力に感謝。ありがとうございました。

 

・本当の診断
 それでも何とかみんなで頑張って診断を進め、
 課題や対応策を発表すると、診断先の企業から
 「初心に戻れた」
 「これまで気付かなかった」
 「取り入れてみよう」などと、喜んでいただけた。
 実習では報告書を出して、さようならになるけれど、
 報告書をどう取り入れてどうやっていくのか、
 本当はここからがスタート。
 そこまで携われるプロの診断士になっていきたいと思う。




卒業してすでにコンサル活動をしている友人は言います。
「実習と実際のコンサルは全然違う。
 でも、実習に意味がないかというとそうじゃない。
 話の聞き出し方、まとめ方
 進め方の一つを知っていること、連携など
 意識しないところで、いろいろなことが活きている」と。



「人の役に立てる仕事がしたい」と誰でも思いますが、
裏の世界じゃない限り、
人の役に立たない仕事なんてありません。



だから、「役に立っているな」と
自分が一番誇りに感じられる仕事が
その人にとってのいい仕事なんだという気がします。



コンサルの仕事をそう感じられている
友人たちの姿はとても素敵で
その仲間でいられることもとても素敵なことです。



続いては、
法政専門職大学院の看板授業「プロジェクト」について

 

 

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