きれいごとでいこう!

経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。いい会社のいい話から私的なつぶやきまで、公私をつづります。

なぜ中小企業診断士に? 29. この世で最大のリスク (上)


こんにちは。
経営ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子です。



中小企業診断士になるまでをつづるシリーズ
全33回の、29回目です。



*1回目はこちら(コンプレックスからの脱却)
*法政大学専門職大学院の入学についてはこちら



さて今日は、
社会人のための大学院・法政大学専門職大学院
イノベーションマネジメント科の授業で印象的だった
「リスクマネジメント概論」の話です。



大学院では『日本でいちばん大切にしたい会社』の
坂本光司先生の授業も、後期は毎週受けられて
素晴らしい機会だったのですが、
ここではあまり聞かない
「リスクマネジメント概論」を取り上げます。



「リスク」(risk)って何でしょう。

 

「それはリスクがあるよね」

 

なんて、私も普通に使っていますが、
実は、生き方にかかわるような言葉だったんです。




教えてくださったのは上野治男先生。
警察庁、中曽根内閣危機管理室長、
竹下内閣総理秘書官、群馬県警本部長、
松下電器リスク担当・法務部長など、
さまざまな重役を歴任されましたが
謙虚で素敵な先生です。




リスクを広辞苑で引くと、
危険、保険者の担保責任、被保険者としか書いてありませんが、



上野先生の定義では、
リスクとは
「個人的または社会的に好ましくないことが発生する可能性」
「起こるかどうか分からない」という不確実性
が特徴です。




転職や独立はリスクです。

 

成功するかどうか、誰も保証はできません。
「不確実性」があるから、これはリスクなのです。



しかし、飛躍の可能性を買って
多くの人は転職や独立をします。
これを通常、リスクを取る、と言います。



一方、高層ビルの屋上から飛び降りることは
リスクとは言いません。

 

なぜならここに不確実性はなく、
「確実に」死んでしまうからです。




世の中には、さまざまなリスクがゴロゴロ転がっています。



しかし例えば、
リスクがあるからといって、
転職や独立をしないとしても、
いまの会社が傾くリスクもあるし、

 

それ以上に一番、嫌なのは、
「あのとき転職・独立しておけばよかった」
と、後悔するリスクだと思います。



結婚も離婚も仕事の契約も、
何でもそうですね。



私たちは常に
何らかのリスクと隣り合わせで生きています。
それが人生ってぇもんだよ、です。



「この世で最大のリスクは何もしないこと」

 

と、先生のテキストにあります。




私なりに訳すと―、
何かにしがみつくだけじゃ、
しがみついたモノが壊れたときどうするの?
しがみついたモノに興味がなくなったらどうするの?




この考えは、
なんとなくダーウィンの進化論」 とダブります。

 

いま生きている生物は長い時間の中で、
その都度、その都度、
環境に沿って進化してきたからこそ絶滅しなかった
という進化論。



進化という不確実なものを選び、
時代や環境と共生してきたということです。



企業も個人も同じで、
いまあるリスク、
これから取ろうとしているリスクを
見定めて、
うまく「共生」していくことが大事なんですね。

 

(授業では、これがCSR=企業の社会的責任
 などに発展していきます)



自分を振り返ると、
昨春~今春まで大学院に通ったことはリスクでした。

 

仕事量を半減させたし(それ以上かな)
せっかく話をいただいた大きないい仕事を
いくつかお断わりすることになりました。

 

それはそれは残念でした。




しかしそのリスクを取らないと、
仕事人としての私はこれから先、
大したことなく終わってしまうという
別のリスクがあるんじゃないかと思いました。



また、今それなりのパワーを得ておかないと、
自分はもちろん周りの人が困ったときに
助けてあげることも出来ません。



私は、助けてもらう人よりも、
助けてあげられる人になりたい。



長期的に見れば、
取るべきリスクは明らかでした。

 

取ったリスクをどう生かしていくかは
これからの自分次第です。



ふむ…、改めて考えれば考えるほど

 

リスクって奥が深いです。
リスクの話、こちらに続きます。

 

 

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